労働基準監督署の調査を侮ってはいけない!
労働基準法とは労働条件に関する最低基準を定めている法律になります。
1947年に制定され、主に労働者の保護を目的とした法律であり、雇用主側がこの法律を遵守する義務があります。
この労働基準法がきちんと守られているか、監督・指導・調査を行う国家機関として労働基準監督署という役所が存在します。
しかし従業員とトラブルになったりしない限り、この労働基準監督署とは一生関わりのない企業というのも存在します。
ですから労働基準監督署が調査にやってきた、という事は何かしらの法律違反があって、その情報を元にやってきているという事が大前提になります。
会社にとっては一大事だと自覚しましょう。
なぜなら労働基準監督署は定期的に行う調査とは別に、従業員などの申告による申告調査も行っているからです。
これを申告監督といいますが、昨今、労働基準監督署が行っている調査の大半は申告監督だと言われています。
全ての申告に関して労働基準監督署が動くかどうかは定かではありませんが、確実性の高い、悪質なものに対しては迅速に対応しているようです。
また実際に労働基準監督署の監督官が調査にやってくれば、隅々まで調べられます。
例えばパワハラやセクハラの申告に基づきやってきたとしても、調査の段階で他の違反、例えば未払い賃金や不当な控除などが判明すれば、それも是正勧告書に記載されます。
是正勧告書はあくまでも行政指導の範疇ですから法的強制力はありません。
しかし報告書を出さなかったり、幾度も法律違反を繰り返すなど、監督官に悪質だと判断された場合は、検察庁へ送検される可能性もあります。
司法警察官としての職権も、労働基準監督署の監督官は持っているのです。
実務的には、是正勧告書には従わざるを得ないものだという認識でいましょう。